武田信玄の名言集
武田信玄は、合戦でほとんど負けず、最強の呼び声が高い戦国武将です。人材の育成や領内の統治に優れた手腕を発揮し、信玄が治めていた山梨県には、今でもその影響が色濃く残っている名将です。組織で働くサラリーマンに響く名言を数多く残しています。

我、人を使うにあらず、その業を使うにあり
威厳と貫禄があって、成功に導いてくれる指揮官。いつも冷静沈着、口数は少ないけど言葉に重みがあるリーダー。会議では皆の意見を尊重し、チームをひとつにまとめてくれる上司。会社にこんな人がいたら、頼り甲斐があると思いませんか?
いるだけで頼もしいボス、武田信玄はそんな人物です。
群雄が割拠する戦国時代に、本国を一度も攻められることなく領土を拡大した信玄は、強固な家臣団を率いました。部下に対して尊大に振る舞うことがなく、個性豊かな人材をまとめあげて、最強軍団を築いた名将の言葉は、組織に生きる私たちに処世術を教えてくれます。
名言の宝庫。武田信玄の言葉には、人間として成長するヒントがあります。
サクッと読める短い名言

もう一押しこそ慎重になれ。
”仕上げの作業こそ慎重に” という意味です。
信濃国を制圧しようとした信玄が、あと少しを急いだばかりに手痛い目にあったことがあります。苦い経験から、最後こそ落ち着いて行動するという教訓を得ました。

人間にとって学問は、木の枝に繁る葉と同じだ。
”人間の本質は幹であり、知識は葉のようなもの” という意味です。
葉が繁った木は立派だが、枝葉が多すぎてもよくない。勉強は必要だけど、勉強ばかりでもよくありません。人間、バランスが大事という教えです。

老人には経験という宝物があるのだ。
”老人から学べ” という意味です。
若い頃、信玄はすでに隠居していた武将のもとを訪ねて、大先輩の経験を自分の糧にさせてほしいとお願いしたそうです。お年寄りは常に私たちの先駆者です。大切にしましょう。
グッとくる深い名言

およそ戦というものは、五分をもって上とし、七分を中とし、十分をもって下とす。五分は励みを生じ、七分は怠りが生じ、十分は驕りを生ず。
”勝ちすぎると気が緩む、引き分けるくらいがいい” という意味です。
完勝や圧勝は慢心し、相手を侮ります。すると油断が生じて、勝てる勝負でも足元をすくわれてしまうかもしれません。その点、五分五分の戦いであった場合は、どちらが勝ってもおかしくない緊張感があります。勝ちたいと願い、頑張れます。

為せば成る。為さねば成らぬ成る業を、成らぬと捨つる人の儚さ。
”努力すればできるのに、やる前からあきらめるなんて残念だよ” という意味です。
何事も努力をすればなんとかなります。チャレンジするだけでもやってみましょう。

自分のしたいことより、嫌なことを先にせよ。この心構えさえあれば、道の途中で挫折したり、身を滅ぼしたりするようなことはないはずだ。
”途中で挫折したくなければ嫌なことからやりなさい” という意味です。
信玄は、部下を叱咤激励するときにこの言葉を使いました。楽しいことを優先して、嫌なことをあとに回すと、途中で投げ出してしまうかもしれません。

百人のうち九十九人に誉めらるるは、善き者にあらず。
”99/100人が褒めたとしてもそれが良い人とは限らない” という意味です。
このような偏りがある場合、99人のうち、大多数が他者に同調している可能性があります。いかなる場合でも、自分の目で見て判断することが肝要です。また、1人だけいるマイノリティの意見も無視できません。

一日ひとつずつの教訓を聞いていったとしても、ひと月で三十か条になるのだ。これを一年にすれば、三百六十か条ものことを知ることになるのではないか。
”小さな積み重ねが大きな成長となる” という意味です。
おっしゃるとおりでございます。

一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。
”反応をみれば取り組み方がわかる” という意味です。
たとえ結果が伴わなくても、懸命に取り組んだのであれば知恵をしぼります。しかし、半端にやっていた場合は、愚痴や文句が出てきます。さらに、いい加減であれば、失敗を正当化する言い訳が出てきます。
ビジネスに使える名言

我、人を使うにあらず。その業を使うにあり。
”その人が持つ能力を活用させてもらう” という意味です。
人が人を使うなど、思い上がった考え方です。ゆえに、信玄は人を使うのではなく、部下が持つスキルを使わせてもらっていると考えていました。信玄ほどの戦国大名が、このように謙虚な考え方を持っていました。

人は城、人は石垣、人は掘、情けは味方、仇は敵なり。
”適材適所で配すれば人は城にもなる” という意味です。
マネジメントの名人・武田信玄が、人材起用における心がけを説いた名言です。個々の特性が発揮されやすい人事をすることで、成果や意欲が向上します。雇用する人材を労えば、より仕事に励んでくれますが、恨まれるような扱いをすれば、敵になってしまいます。

武将が陥りやすい三大失観。
一、分別あるものを悪人と見ること。
一、遠慮あるものを臆病と見ること。
一、軽躁なるものを勇剛と見ること。
”人を見誤ってはいけない” という意味です。
これはよくある誤解ではないでしょうか。とくに、臆病もしくは勇剛(勇気がある)と思われている人、その逆もしかり。本当は全然ちがうかもしれませんよ。

戦いは四十歳以前は勝つように、四十歳からは負けないようにすることだ。ただし二十歳前後は、自分より小身の敵に対して、負けなければよい。勝ちすぎてはならない。将来を第一に考えて、気長に対処することが肝要である。
”若いうちは勝ちにいく、中堅になったら負けないようにする、但し若造のうちは同世代と競うこと” という意味です。
サラリーマン社会では、結構大事なことです。目立たなければ出世しませんが、生意気になってはいけません。また、中堅の役職にいる人たちは、部下のためにもビシッとしましょう。

渋柿は渋柿として使え。継木をして甘くすることなど小細工である。
”それぞれの良さを活かせばいい” という意味です。
渋柿は干し柿にすれば甘く美味しくなります。渋柿も甘柿も、それぞれの長所を活かすことが大事という教えです。皆同じにする必要はないのです。
武田信玄の辞世の句
徳川領を次々と攻め落として進軍するさなか、陣中で持病が悪化し、この世を去った武田信玄が残したとされる辞世の句があります。

大ていは 地に任せて 肌骨好し 紅粉を塗らず 自ら風流
”この世は、流れに身を任せるものだ。その中で自分を見つけて生き、死んでいく。見せかけに凝るのではなく、正直に生きるのが一番楽だよ。”
雄大な山のように、そびえ立つ大樹のように、澄み渡るスケールの大きさを感じる、武田信玄らしい句だと思います。見栄を張らずに、自然体が一番です。
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